ひとりごと


2002年9月16日

体質の改善

Yasuが院生時代取り組んでいた研究テーマ関連で感じたことを書き下ろすので、適当に読み流すことを薦めます。 ということで読者自身の判断で.....。

その研究テーマは、簡単にいうとモノクローナル抗体を使って薬学の分野に応用するというものであって、 ここでモノクローナル抗体を作成するということを説明すると、勉強熱心な皆さんにおなじみのB細胞と骨髄腫細胞を 細胞融合し、擬リンパ性白血病細胞を作り出し、それを増殖させてそこで得られるIgA等の抗体を取り出し各種研究に応用 しようという試みである。その実験において、多量に抗体をとるには、方法1として、マウスに免疫抑制剤を投与し、 擬白血病細胞を植え付ける【人間でいうと骨髄移植みたいなもの】作業をし、死にかけのマウスから腹水と血液を採りだし 抗体を生成する方法と、方法2として培養液で培養し培養液中から抗体を採る方法がある。 方法1に使うマウスはクローンマウスを使用するので遺伝的体質は同様のはずであるがマウスによっては早く死にかけるものと いつまでも元気なものがいる、我々にあてはめてみると育った環境も病気の進行に影響を及ぼすということである。 また、方法2の培養液で栄養としてウシ血清アルブミンを用いて行うのだが、アルブミンのロットによっては、 擬白血病細胞が増えてこない場合がある。癌細胞は基本的にはクローンであり、同様な性質を持つと思われがちだが 少しは多様性を持つことがある【抗ガン剤の耐性の獲得など】が、それらを加味してもロットの影響はあるので、 ということは体質もやはり影響があると考察される。以上のことをふまえると、病気に対して前向きな考えを持ち 免疫細胞を活性化させること。食事等に気を付けることはあながち眉唾な癌対策ではないと思うがいかがであろう。


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